あ め だ ま 図 書 館

読んだ本を紹介!本の世界へようそこ!

『うつくしい人』 西加奈子

私たちは他人の目を気にして生きている。

その気持ちがゆっくり解けていく。

そんな口コミをととに手に取った一冊です。

 

挨拶が遅れました、

新年明けましておめでとうございます。

昨年末から始めた本ブログも初めて1ヶ月になりました。

1ヶ月で漫画も合わせて10冊ほど読んできたわけですが、

今年1年でペースを落とさず年間で120冊くらいに

なっていたらいいなと思う2024年です。

仕事や学校が始まり、新年始まったなと

エンジンがかかり始めた頃でしょうか。

あめだまも繁忙期が目の前に迫っていることに

年初めから急にダムが崩壊しそうな

そんな気配に蓋をして、本を読んでおります。

 


『うつくしい人』

 

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この作品の主人公は自分を随分と醜いと感じて

生きている。自分にも人にも

「こうあるべきだ!」みたいなもの。

あめだまは外には出さないようにしているが、

(実際出ていないかはよくわからない)

おそらく自意識過剰の人間だ。

あめだまが正しいとおもいつつ

人の話にも耳を傾けるしと、

自分を肯定しようとする。

けど思うのは、こういう時期あるよねー。

自分の愚かさに目を瞑れなくなり、

他の人のあれやこれやもみすぼらしいと

蔑んでしまう心内。

そんなことが浄化されていくことを

綺麗描かれていて あめだま的にはスッキリした。

純文学では読み解けなかっだ部分が

すんなり入ってきて読みやすい。

「うつくしい人」ってなんなのか。

これを考えてみてください。

 

是非とも読んでみて欲しい1冊です。

 

あめだま的評価★★★★☆(4/5)

 

 

『うつくしい人』

初出版:2011年8月4日

 

著者:西加奈子

1975年イランで生まれ、エジプトを果て、

大阪で育つ。

「あおい」(2004年)で文壇に登場。

勢いのある軽快な筆致で人情、人生の機微を描く。

「さくら」(2005年)で20万を超えるベストセラー。

通天閣」(2007年)で織田作之助賞。

「ふくわらい」(2013年)河合隼雄物語賞。

サラバ!」(2014年)で直木賞を受賞。

「きいろいぞう」(2006年)が2013年映画化

昨年11月に最新刊「わたしに会いたい」短編小説が本屋界隈で店頭に今でも並んでいる。

 

 

 

-あらすじ-

 

他人の目を気にして、

びくびくと生きている百合は、

単純なミスがきっかけで会社をやめてしまう。

発作的に旅立った離島のホテルで出会ったのは

ノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアス。

ある夜、三人はホテルの図書館で

写真を探すことに。

片っ端から本をめくるうち、

百合は自分の縮んだ心が

ゆっくりとほどけていくのを感じていた-。

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

〜旅行〜

 

 ぽんこつバーテン坂崎と

 金持ちで幼いドイツ人のマティアス。

 この2人がいい味出してましたよね。

 純真無垢のマザコンのマティアスは

 特にお気に入りです。

 

 子供みたいな心は、

 いつまでも忘れたくありません。

 

 

 他人の目を気にして生きている主人公百合。

 会社を辞め、旅行に出かけた百合は、

 人生の一生の思い出としての旅行と

 なったことでしょう。

 

 あめだまは旅行って行くまでが楽しくて

 行ってしまうとなんとか楽しもうと

 あくせくしてしまって、

 「一緒に行ってる人は

 楽しめているのだろうか?」とか

 綺麗な景色をみて、「だからなんだ。」とか、

 あめだま年表みたいなものをつくったとしたら

 1つも登場しないのではと思ってしまう。

 

 おそらく、現地で出会った人みたいなものが

 あまりなかったからかなと思った。

 いつか妻には申し訳ないが

 

 1人目的を持たず旅に出てみたい。

 

〜うつくしい人〜

 

『ただ「自分」であり続け、

   その「自分」の欲望に従って生きること』

 

 自己啓発本とかインスタとかでよく見かける

 「人の目を気にしない」

 正直、無理でしょと思っていた。

 上司からの評価で会社の成績が変わるし、

 友達に対しても良い人を演じて

 お互いが楽しかったねで終われる。

 けど、こんな私だからまっすぐ生きる人に

 惹かれるのだろう。

 

 「自分の欲望に従って生きる」

 主人公百合は人が良いと思ったものを良いと

 思い、自分でなく人の目だけを基準に

 生きてきたように思う。

 「人の目」

 うつくしい人たる姉は貫き通した結果、

 社会に出ず家にいる。

 旅行先で出会った2人の人の目を気にしない、

 幼さや、醜態。

 彼らは彼らの自分であり続けている。

 彼らの出会いで、反面教師としての姉を

 素直に憧れの「うつくしい人」へと

 浄化した。

 

 

 私は自分らしさみたいなものに自信を持っていたが、

少し勘違いしていたのではと思った。

フレキシブルに人に合わせて、臨機応変に、

その場その場で言ってることも違うが

その場が楽しければと思っていた。

内心では別の意見だし、

人の目に縛られているのかもしれない。

 

本当の自分らしさを見つけなければならない。