あ め だ ま 図 書 館

読んだ本を紹介!本の世界へようそこ!

きょうも延長ナリ 爪切男

アイナジエンドの曲に「死にたい夜にかぎって」という曲がある。

あめだまはBISH時代から大層アイナジエンドにはまり、清掃員とは言えないが、

コピーバンドで嫁と嫁の友達を30歳'sを舞台にあげてBISHの「星が瞬く夜に」や「プロミスザスター」などを演奏したことがあるくらいには、

好きな歌手である。

そのアイナジエンド曲のもとになった「死にたい夜にかぎって」の元となった小説?自伝?がこの作者の爪切り男である。

じゃあなぜ「死にたい夜にがきって」でなく本作から手に取ったのか。

それはあめだまにもわからない。

 


『きょうも延長ナリ』

 

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 本作を読んで、

32歳にもなり、まだモテたいとか、Hしたいとか、欲望にまみれる男は多いであろう。

その根底にあるのは性の発散かと思っていた。

ただ、その性の発散っていう性欲を

履き違えていた、と感じた一冊であった。

ある意味間違った方向に正されたな、

というのが本音で、

sexに求めていたものってそういうことなのかな、

と気付かされる一冊であった。

あと、単純に文才あふれる男の頭の中を覗き見た

感触が生々しく感じられ、

読んでいて楽しく、気持ちが良かった。

ただ、決して、女性や妻にはこの本を読んだとおすすめはできない。

 

 

あめだま的評価★★★★☆(4/5)

人におすすめ度★★⭐︎⭐︎⭐︎(2/5)

 

 

『きょうも延長ナリ』

初出版:2022年7月26日

 

著者:爪切男

1979年香川県生まれ。

2018年『死にたい夜に限って』にてデビュー

同作

 

 

-あらすじ-

『死にたい夜にかぎって』著者・爪切男が贈る風俗店での"恋愛ごっこ"エッセイ

毎日なんとなく退屈で、なんとなく満たされない。
そんな迷える40男はきょうも風俗店に通う。
狭いホテルの一室で風俗嬢と二人きり。
一緒にかくれんぼをしたり、サッカーを観戦したり、
ときにはコンプレックスを抱える女性を励ましたり。
"Hなこと"をするだけでは終わらない、ちょっとおかしな風俗回遊記。
「風俗も人生も、楽しみ方はひとつじゃない」

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

〜人生なんて心の持ちよう〜

本作は40男が丸裸で語る。

それは心もだが、服まである。

その丸裸の人が、書くエッセイというものは

心に響くものがある。

ちなみに、書いている時も全裸で書いているそうだ。

まずは、彼の文才を感じる1番を読んで欲しい。

 

人間は物事をなんでも理屈で

解決しようとするから

余計に苦悩が広がるのだ。

言葉でうまく説明できぬもの、

心の整理がつかぬ思いこそ、

その人の人生が色濃く表れる。

何が正しくて、何が間違っているのか。

もう答え合わせはいらない。

そんなことよりも、

自分の目の前に確かに存在するものを

しっかり見つめよう。

今、私の目の前にあるのは、

一体のラブドールと、

丸めたティッシュの残骸が転がっている。

 

これは、ラブドールを好みに合わせて

オーダーしたものをレンタルし、

性を発散させた後の筆者の言葉である。

何か意味ありげにツラツラの語っているが、

人ではない愛しいゴムを目の前に

なんてことを考えているのやら。

こんな男なら、なんでも楽しく生きていけるだろうさ。

少し心が軽くなるとともに、

こんな楽しくエピソードトークができたらいいなと

なんなら憧れを覚えた。

 


〜性欲〜

性欲ってなんだと思います?

あめだまは体が気持ちよければそれでいいと思っていたところがある。

もちろん、視覚・聴覚・触覚を脳が感じ、

体から放出される行為が行えれば、

満足だと思っていた節がある。

けど、筆者の風俗の楽しみ方を読んでいると、

そうではなく根本にあるのは「さみしい」というところなのではと感じた。

やはり、sexの根本にあるのは愛情なのである。

ちまたを歩く露出の高い女性を見ると、

チラリと無意識目がいくし、

インスタの虫眼鏡マークをタップすると

誰にも見せられない秘境が映し出される。

けど、それとは別で、

真には女性と心を通わせたいだけなのだと思う。

妻と一生を添い遂げる誓った身ではあるが、

基本はセックスレスで何億の種を

ドブに長さ毎日の中で、

私は寂しさを感じていたのだ。

 

もう取り戻すことのできない日常を忘れようと

風俗嬢と過ごす非日常に今宵も深く溺れよう。

思い出の上書き保存なんてできそうにないが、

己の恥で上塗りすることぐらいなら

上手くやれそうだ。

風俗とは「のようなもの」である。

恋のようなもの、嘘のようなもの、

「のようなもの」の前にくる言葉は日によって変わります。

人生は「のようなもの」が集まってできている。

好きなものは一つに絞らない方が楽しいと思います。

 

人生に間違いないし、何をしてもいいのである。

たまには不幸なこともあるけどざ、

それでも「のようなもの」を集めて後で

楽しい人生だったと思える人生にしていきたいね。

 

 

『しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか?』 橘 玲・樺山 美夏

転職をして2ヶ月が経ち、

3ヶ月目に突入しようとしている。

前職の多忙に比べてかなり緩く働けているな

と感じる毎日である。

だって、週5でジムに行けるし、

土日に仕事は入らないし。

それでも生活が落ち着くと、

余計なことを考えるもので、

もっと幸せになるためには?なんて

途方もない天国を目指してしまう。

そんな中なんとなく手に取ってみることとなった。

 

『しんどい世の中で

         どうすれば幸せになれますか?』

 

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日本は近代のふりをした身分制社会である。

中途退職してイエ(会社)を捨てると

「正社員」という立場は失われ、

「非正規」という下級国民に落ちてしまう。

新卒でいい会社にであるのなんて

宝くじに当たるようなものであるが、

その会社に40歳にもなると

会社にしがみつくしかなくなり、

仕事が苦役になる。

そんな会社に縛られた未来を悩む現代人に、

悩みの解決策を示してくれる1冊になっている。

ただし、内容は多くの内容を盛り込むため、

入門としての情報が多い。

漠然とした不安をかかえ、

何から人生に対してやっていいのかわからない人に

向いているような1冊であった。

 

 

あめだま的評価★★☆☆☆(2/5)

人におすすめ度★★★★☆(4/5)

 

 

『しんどい世の中でどうすれば幸せになれますか?』

初出版:2025年7月

 

著者:橘 玲 ・ 樺山 美夏

橘 玲(たちばな あきら)

1959年生まれ、早稲田大学文学部卒

元宝島社編集者・作家

2006年「永遠の旅行者」にて山本周五郎賞候補

2010年以降は社会批判や人生論の著者

2017年「言ってはいけない 残酷すぎる真実」にて2017新書大賞受賞

樺山 美夏

書籍情報誌編集を経て現在ライター

 

 

 


-ネタバレ有りあめだま的ポイント-

 

〜合理的な人生設計〜

35歳までに「合理的な人生設計」の土台作りをした方が良い。

土台①金融資本

嫌な仕事を断れる経済的基盤

土台②人的資本

仕事を通して自己実現するための自分らしさ

土台③社会資本

自分を認めてくれる人たち

 

ただ、人は遺伝子の影響を強く受けているので、

努力によって性格や知能を変えることは

大変困難である。

変わらない自分に合わせた

人生設計をすべきである。

つまりやればできることに

時間を費やした方がいいと筆者は語る。

 

この3つの軸のどこを伸ばすのか、

または持っているのかで

幸せななり方は変わってくる。

 

お金(金融資本)がなくても、

愛する家族、友人(社会資本)がいる人。

家族や友人(社会資本)がいなくても、

仕事が充実して(人的資本)いる人。

などなど、幸せになるために

一つ、または2軸、3軸と整えていくこと、

自分を理解することで

今なぜ不幸なのか、幸せなのかを

把握して改善することができる。

精神科医ランドルフ・ネシーは、

心に問題を抱える患者を6つのリソースに分類した。

①収入=食料・住居など物

②能力=外見・健康など個人的なリソース

③職業=やりがい・収入など

④社交=評価承認してくれる人間関係

⑤愛情=セックスを含む親密な関係

⑥子供=家族との関係

これらをクリアにしていくことで悩まなく

幸せな人生になるわけである。

 

 

〜トレードオフ〜

25〜35歳の実際の悩みに対して

ゴーリオ爺さんというAIが解決策を

説明する流れで構成されている。

中身は人生設計について不安を覚えた若者が

これからどのかように行動すべきかの

きっかけを与えてくれるような

そんな初心者向けの内容になっている。

多少のお金の悩みの本を読んできた、

あめだまとしては読み応えはないものの

中にはなるほどと納得できる

考え方みたいなものがあった。

 

最近やりたいことがないという漠然とした

人生のつまらなさを感じることがある。

あれ面白そうだけど、やってもどうせ面白くないのかなと足踏みして終わることってないだろうか。

これは、最近の情報過多によることが原因で

人間は選択肢が増えると選ぶということが

めんどくさくなり、選択しないことを

選ぶ傾向にあるようだ。

選択したことで、選択しなかったことを選んでいればという後悔が付き纏ってしまうのである。

トレードオフというらしい。

つまり自然と欲張りになってしまう。

土日になんでもできる時間がある時に

10数個の選択肢からでは、何も選べず、

選んだとしても、何か満足感がない。

仕事の帰りの電車でスマホしかない時、

アニメを見るのか、漫画を読むのかと迫られれば

人はどちらかを選択して実行するだろう。

 

上記を踏まえて、

この本を読んで得られたのは2点。

自分を何を伸ばすのか、

そして現代の情報過多の中で

選択肢をいかに絞ることができるかが

幸せな人生の近道になる可能性がある。

 

 

 

 

『成瀬は信じた道を行く』 宮島未奈

成瀬は天下を取りに行くを読み、完結編の

成瀬は都を駆け抜ける購入から、

はや2ヶ月以上がたち、他の本を色々と優先させ、

やうやく再び手に取った。

 

『成瀬は信じた道を行く』

 

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再読本であるのだが、その記憶からすると

1作目よりもあめだまの中で好評だったと

記憶していた。

記憶に間違いはなく、

成瀬あかりというディープインパクトが

より鮮明に描かれている。

彼女の魅力は、何になりたいかではなく、

今何をしたいかに全力で取り組んでいる点にある。

未来のことを考えて不安になったり、

未来のことを考えるとやる気が出なかったり、

始まる前から終わりのことを考えてしまい

薄い期待感というものに邪魔され

前に進めない。

そんなことを考えず、まっすぐ信じた道を行く

そんな気持ちにさせてくれる爽快な作品だった。

 

あめだま的評価★★★★☆(4/5)

人におすすめ度★★★★☆(4/5)

 

 

『成瀬は信じた道を行く』

初出版:2024年1月24日

 

著者:宮島未奈

1983年静岡県富士市生まれ

京都大学文学部卒業

2018年『二位の君』コバルト短編新人賞を受賞しデビュー

2021年本作の「ありがとう西武大津」にて女による女のためのR-18文学賞大賞

2023年『成瀬は天下を取りにいく』

2024年『成瀬は信じた道をいく』

2025年『成瀬は都を駆け抜ける』

 

-あらすじ-

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

 

〜成瀬の年末年始大冒険〜

本作の中でも1番の話はやはりこれである。

成瀬家が12/31朝起きるとあかりの姿はなく、

置き手紙で「探さないでください」だけが残されている。

その彼女が向かう先が彼女らしい。

そしてそれを追いかける一同にも

彼女を受け入れる人たちだなと感じる。

まず、目を向けたのはコロナの際にはできなくなって、コロナ明けで目を向けられ始めたスタンプラリーだ。

スタンプラリーに全力を注ぐなど考えも至らなかった。

だってスタンプラリーだよ。

紙にハンコを押して何になるのだ。

全て集めて天下統一とは。

そして最後に紅白歌合戦出場のけん玉である。

人の評価ではなくて、

自分がしたいことに真っ直ぐというのは、

ある種羨ましく感じる。

成瀬の大半は叶わないだろうが種を蒔いて一つでも叶えばというが、実は多くを叶えている。

というのにも成瀬の行動から説得力がある。

 

〜大津観光大史〜

彼女は最近大津市が誇る一躍スターになっている。

完結編が発売され、

大津市には成瀬のマンホールが作られ、

駅では大きな広告となり街を盛り上がることになった。

彼女は本の中から飛び出して、

実際の我々の世界をも盛り上げ始めた。

まさに大津の観光伝道師である。

本作をまとめるならば、

観光大使編であろう。

観光大使1グランプリーでは、

彼女らしくというのが光る。

まあ、ぶっちゃけ変な人なのに

真っ直ぐ生きるかっこよさと魅力がひしひしと

人の心を掴む。

 

人の心を掴むというのはまっすぐな人の

まっすぐな気持ちなのかもしれない。

 

 

『むらさきのスカートの女』  今村夏子

もうすでに昨年から始まった読書会も

4回目の開催となり、

今回課題図書となったのが本作である。

読書会をやっていると大きな声では言わないのはなぜだろうか。

本をどのように解釈して、どこが面白かったのか。

人により十人十色の解釈があって、

みる角度でこんな文章の2次元的なもので

大きく変わるのは聞いていておもしろい。

だがしかし、誰かに読書会をしているとは言わない。

なにか恥ずかしいものとして

恥部を晒す行為のように感じている。

いや、恥部晒すことに恥ずかしさを

感じることのなくなったおじさんとしては、

それ以上である。

実は隙間時間に数プレなどおじさんらしいことをしていた時に、広告で流れてきた

ネジを外しているスマホゲームをしていることが

バレるくらいには恥ずかしいと感じている。

打ち明けたからと言ってツッコミどころがない

からなのだとは思う。

 


『むらさきのスカートの女』

 

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 本作は住んでいる街で知らない人はいない

「むらさきのスカートの女」を観察する

「黄色のカーディガンの女」の日常観察譚

から始まる。

読み進めていくと、「むらさきのスカートの女」が何者なのか話しているのに

この喋り手の「黄色いのカーディガンの女」は

何者なのかと

奇妙なゾワゾワ感を感じて、読む手が止まらない。

文書も独特な雰囲気を感じ、

世界観に引き摺り込まれる。

これは、早くも今年1のヒット作を2月から掴んだか?

とさえ感じる一作であった。

おそらく、ハマる人とハマらない人、

大きく評価が分かれる作品なのではと思われる。

あなたはこの奇妙な世界に

迷い込むことができるだろうか?

 

 

あめだま的評価★★★★★(5/5)

人におすすめ度★★★★★(5/5)

 

 

『むらさきのスカートの女』

初出版:2019年6月

芥川賞受賞作

 

著者:今村夏子

1980年広島県広島市出身

2010年『あたらしい娘(こちらあみ子)』にて太宰治賞を受賞しデビュー

2011年同作三島由紀夫賞を受賞

2013年結婚

2016年『あひる』にて芥川龍之介賞候補、河合隼雄賞受賞

2017年『星の子』にて芥川龍之介賞候補、野間文芸新人賞受賞

2019年『むらさきのスカートの女』にて芥川龍之介賞受賞

5人目の純文学新人賞三冠を達成

 

 

-あらすじ-

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で働きだすように誘導し……。

『こちらあみ子』『あひる』『星の子』『父と私の桜尾通り商店街』と、唯一無二の視点で描かれる世界観によって、作品を発表するごとに熱狂的な読者が増え続けている著者の最新作。

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

 

〜ゾクゾク感の正体〜

むらさきのスカートの女は何者なのかから始まり、

観察を続ける上でこのわたしこと

黄色のカーディガンの女は何者なのかという謎に

存在しているのか?人間なのか?と

ゾクゾク感を感じることができる。

誰かと友達になりたいと考え、

相手を観察・ストーカーする行為に

妙な説得力を感じる。

この話は著者今村夏子の普段生の妄想を

そのまま物語にしたものである。

おそらく趣味は人間観察である。

その観察をする人を観察するような形で、

読者は一種ストーカーとしてこの本に

立ち合いを強要されている。

黄色のカーディガンの女という人物がどんな人間か

知りたくて読む手(=観察)が

やめられなくなってしまう。

 


〜特等席〜

エッセイを読むとこの本がよりジワジワとまた

新しく感じる。

この本をざっくり説明すると、

久しぶりに行ったカフェで

私の特等席に座っているおっさんがいる。

「そこ私の席です」とはいえないが、

だれが別の第3者が「そこはあの人の特等席なので別の席へ」と言ってくれないかなを物語にした話。

結局、その特等席に座っているおっさんが実は席を守ってくれていた私だったのかもしれないなって

妄想の話だと理解している。

今村夏子1、今村夏子2の今村夏子の分散たちによる

奇妙な世界観のお話しというところか。

そんな日常の些細なことに真剣に目がいく人は

やはりどこか飛んでいて、魅力あふれる頭の中をしていそうである。

歳をとってしなくなった、妄想みたいなものを

してみたくなるそんな話。

 

 

 

『センスのいい人がしている80のこと』 有川真由美

最近小説しか読んでいないなと、

転職をして新しい職場にも少しづつ慣れ始め、

あめだまのスタンスというのは

あっているのだろうか?と疑問に思う日々である。

「私はセンスがないのでは?」そんなことを

考えながら毎日を過ごしている。

こいつセンスあるなって言われたい。

少しでも足しになればと手に取ってみた。

 

『センスのいい人がしている80のこと』

 

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まずタイトルから80のことって多くない?って

読み始める。

ただ諦めてはならない。

筆者曰くセンスのある人というのは後天的なものである。

長く続けてきたことが開花しているのである。

そして、私はセンスがないと感じている人と

そのセンスがないことに気づける原石を持っているのである。

センスと漠然としたものを

気持ちの持ちようから、細やかな生活の一部から

くる美しさの継続から

なされている80の項目から語られる。

日常の細やかな行動や選択で

センスというのは後天的に磨かれるものである。

わかりやすい項目で言えば、

お店で出された器をじっくり眺めてみる

というものがある。

ご飯を食べに行って楽しむものは食事である。

大好きな居酒屋の串盛りがあるとして

器について覚えているだろうか。

そんな普段目にしているのに、

意識してみていないものに目を向けると

今まで持っていなかったセンスが

磨かれていくのではないだろうか。

そんなちょっとした意識の気づきを与えてくれた。

 

 

あめだま的評価★★☆☆☆(2/5)

人におすすめ度★☆☆☆☆(1/5)

 

 

『センスのいい人がしている80のこと』

初出版:2024年7月10日

発行:(株)扶桑社

 

著者:有川真由美

鹿児島県姶良市出身。(60歳前後/2026年)

化粧品会社事務、塾講師、衣料品店長、着物着付講師、ブライダルコーディネーター、情報誌編集者等多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などを執筆。

作家、写真家。

 

 

-あらすじ-

センスという、感覚的であり、つい惹かれてしまう言葉。いったいセンスってなんなのか……?
本書では50種類の仕事、約50カ国を旅してきたなかで著者が「センスいいな」と思った魅力的な人のこと、感性を磨くためにやってきたことから、センスについて考えていきます。
日々の生活でマネすることのできること満載なので、1日1個からでも習慣にしてみてください。
今までにない不安や悩みを抱えながらも、しあわせに生きていくために。これからの時代に必要になるのが、自分だけのセンスなのかもしれません。

 


-ネタバレあめだま的ポイント-

 


〜好きなもの〜

 昨今の服にしろ身の回りのものにしろ

   流行っているとか安いからと

     ものを選びがちである。

 たしかに人から選ばれて流行っているものは

   万人から受けているわけで間違いがない。

 ただ、その選び方はセンスがいいとは

   確かに言えないだろう。

 自分の好きなものを選びたい。

 そして金額が少し高くても、

  それは自分の気に入ったものであれば、

   買い替えのリスクが減り、

    多少の煩わしさは我慢が効くものである。

 また、好きなものというのが

  自分に似合わないというのも、

  それを似合わせるためにはどうしたら良いのか

   考えることが、

    後天的なセンスを手にする1歩

      なのかもしれない。

 好きだけど諦めていたものに対して

   もう一歩考えてみたくなった。

 例えば、ついつい無難だからと

  黒とか白とかの無難な服を

    選んでしまっていないだろうか。

 着回しが効くから利便性を求めて

  選ぶのは良いとして、

   無難だからというのは、

    センスがいいとは言えないかもしれない。

 

 

〜ワクワクすることをやってみる〜

 やりたいことがない人や、

  何をやってもつまらないと感じる人は、

   単純にあまり動いていなくて、

    面白いと感じる感度が鈍くなっている。

 たしかに、やる前からどうせ面白くないと

  やってみようと思い立っても

   やってみるのが億劫になることがある。

 たまには思い立ったが吉日、

  美術館に行ってみたら、

   歴史的建造物を見に行ってみたり、

    いきつけの和菓子屋を探してみたり、

  和歌を読んでみたり、

   長い休みをとって海外旅行に行ってみたり、

    万年筆で文字を書いてみたり、

  夏になれば線香花火をしてみたり、

  秋になれば十五のお月様を愛でてみたり。

 おそらくセンスの良い人がしているのは、

  こういう何でもない日常に、

   プラスワン何かを積極的に試してみる人

    なのかもしれない。

 

 

総じて本のタイトルから求めていたものは、

細やかなセンスのいい人の見ている世界を、

写真などで伝えてくるようなものだったが、

それには裏切られてしまった。

漠然としたセンスのいい人がしている考え方のみ

でこれを読んだ人が全てがセンスのいい人には

なりそうになく、

一歩また構えばセンスのない人に様変わり

しそうである。

センスのいい人を作る本ではなく、

豊か幸せな生活を送る人というのが

正しい表現ではないだろうか。

 

 

 

『本心』 平野啓一郎

映画された作品と名前は聞いていたので、

読んでみることにした。

 

『本心』

 

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なんだかんだ、2026年1冊目である。

最近、あれも読みたい、これも読まなくちゃと又読み?が増えて良くないと反省している。

 

本作は一言で言うならば「他者性」について

最愛の母の自然死をもとに語られている。

「他者性」とは自分では到底理解できない

他人の考え方ということで、

最愛の母が70歳と若くして自然死を望むが、

主人公は理解できず、そんな中母が事故で

死んでしまい、母の本心を探す物語である。

社会に対しての疑問みたいな部分を

取り上げて率直に少しお堅い話だったなと共に

人間が生きるのに理由が必要なのかなと

感じる内容だった。

 

あめだま的評価★★☆☆☆(2/5)

人におすすめ度★★☆☆☆(2/5)

 

 

『本心』

初出版:2021年5月26日

映像化

 

著者:平野啓一郎

1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。

京都大学法学部卒。

1999年『日蝕』にて芥川賞受賞

2009年『ドーン』にてドゥマゴ文学賞受賞

2017年『マチネの終わり』にて渡辺淳一文学賞

2018年『ある男』にて読売文学賞

2023年『三島由紀夫論』にて小林秀雄

 

-あらすじ-

舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。
母の友人だった女性、かつて交際関係にあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。
さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る――。
ミステリー的な手法を使いながらも、「死の自己決定」「貧困」「社会の分断」といった、現代人がこれから直面する課題を浮き彫りにし、愛と幸福の真実を問いかける平野文学の到達点。
読書の醍醐味を味わわせてくれる本格派小説です。

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

〜母の本心〜

主人公の朔也は果たして母の本心に気付いたのであろうか。

自然死を望むが事故で亡くなった母の

70歳で「もう十分」の一言。

アバター製作のイフィー、サックスワーカーの三好、外国人日本育ちのティリに接して

様々な他者性と向き合う。

だが、死んだものは何も語らず。

VFで再現された母の外部への発信は進化を遂げていくも、内部の声は全く聞こえてこない。

母の本心を知るのではなく、知らない母を知る人たちから母を知り、優しくありたい自分を見つけた。

あめだまとしてこの本の本題として

他者性を追いかけて、自分と対話を続けて、

自分の本心にたどり着いたと考えます。

他人を知り自分を知る。みたいな。

 

「最愛の人の他者性と向き合うあなたの人間としての誠実さを、僕は信じます」

 

未来の平野啓一郎が語っているようなそんな言葉が

胸に響いた。

 


〜社会事情〜

本当に少し未来の現代を描いたような作品で、

格差社会や自然死、そしてヴァーチャルの世界と

このままだとこういう世界が待っているよねっていうのを

何の違和感もなく身体に落ちてくるのともに、

読んでいて読む手を止めたくなるような

嫌に現実的なものを突きつけられる。

中でも目についたのが、

女同士の結婚をしかけ、精子提供で子を産んだ母

(相手には逃げられたが)というのは、

まさに近い未来稀に見かける話なのではと感じる。

昨今計画的に結婚せずに子供を産み育てる

シングルマザーもYouTubeで多く見かける。

その母をもった子というのは、

他の人と違い本当に父がいないのかと思うと

それが家族として幸せなのかを否定するのは、

多様性の社会で間違っているのだろうか。

あめだまは某アニメの野原家のような家族に

憧れを抱く。

否定するわけではないが、何か足りないと

感じてしまう。

野原家にヒロシがいない想像をするのは

難しいだろう。

ただ、初めからいないというのは

また意味合いが違うわけで。。。

人それぞれ求める家族像ってのが違うって

他者性に少し向きあいましたって

そんなふわふわした感じです。

重たい本というか内容が硬くて、

社会に対しての悩みというか不安とかが

ある人には刺さる本なのかなと。

 

 

『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

1度読んだもののブログを書かずして終わり、

完結編がでたとのことで読み直してみることにした。

 

『成瀬は天下を取りにいく』

 

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来週から新しい仕事が始まる、有休消化を

怠惰に生活を終えようとしている。

有給消化が始まる前は年内にしたい100リストなるものを作成したものの

絞り出したやりたいことにはいざ取り組むと

本当にやりたいことかとかかり始めては

しっくりこなかった。

強いていうならアンチエイジングと筋トレというのには熱が入った生活ができていたと思う。

本作の主人公成瀬も「200歳生きる」を目標に

生きる一風変わった少女である。

花開くものを見つけるために種を植え続ける。

彼女の真っ直ぐな生き方には大物のような、

どこか人間らしさを感じて引き込まれる。

閉店を迎える西武、M-1、かるた班、いろいろなことに新しく挑む彼女の姿は、

残り5日の有休消化を残すあめだまには、

後悔を与えるには十分であった。

まだ間に合うか?何か新しいことにチャレンジする

種をあめだまはまけるだろうか。

 

あめだま的評価★★★★☆(4/5)

人におすすめ度★★★☆☆(3/5)

 

 

『成瀬は天下を取りにいく』

初出版:2023年3月17日

2024年本屋大賞受賞作

第39回坪田譲治文学賞

女による女のためのR-18文学賞

その他多数受賞作

 

著者:宮島未奈

1983年静岡県富士市生まれ

京都大学文学部卒業

2018年『二位の君』コバルト短編新人賞を受賞しデビュー

2021年本作の「ありがとう西武大津」にて女による女のためのR-18文学賞大賞

2023年『成瀬は天下を取りにいく』

2024年『成瀬は信じた道をいく』

2025年『成瀬は都を駆け抜ける』

 

-あらすじ-

2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
2023年、最注目の新人が贈る傑作青春小説!

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

〜まいた種〜

成瀬はたくさんのことにチャレンジをする。

彼女曰く、大きなことを宣言して、100個のうち1つでも成功、花咲けばそれで一目置かれるとのことだ。

子供の頃ではシャボン玉を極め、けん玉を極め、

笑いの天下をとりにいけばすぐさまM-1に応募して、手応えを感じなければM-1は4年で諦めた。

しかしまいた種は花開かずとも、別の形で

各所で花開いていたのかと感じるエピソードで

溢れていた。

夢見る少女というよりは人としての人生を

謳歌する少女というのがいいのか。

不思議なことに彼女のチャレンジすることに

後ろ指を立てるような笑いは感じないことだ。

彼女の目的はそれになることではなくて、

新しいことにチャレンジすることが

大きな目的なのではと感じる。

不思議と読者のこちら側もなにか途方もない

夢を掲げてチャレンジしようと思えるような

そんな気持ちがふつふつと湧いてきた。

 


〜成瀬も普通の女の子〜

成瀬が行動を見届ける島崎の存在は

ある種彼女こそ一風変わった少女として捉えられた。

彼女は自分のことを普通だと定義して、

成瀬の対比として普通として描かれているようで

そうではない気がしてならない。

まず、成瀬を見守る、一緒にM-1に参加するという

成瀬を信じる彼女は一風変わっている。

そんな島崎が東京に引っ越すと聞かされた

成瀬の反応は実に愉快であった。

勉強には手をつけず、髪の成長速度を見るために切らないと決めた髪を切ったり、ワタワタしている。

そんな彼女の人間味のあるところもこの成瀬が

実際に存在しているような

そんな気持ちにさせてくれた。

彼女のように真っ直ぐに生きてみたいものである。