あ め だ ま 図 書 館

読んだ本を紹介!本の世界へようそこ!

「同志少女よ、敵を撃て」 逢坂冬馬

2022年本屋大賞受賞作。本屋で見ない日はなかった本作をようやく読みました。


『同志少女よ、敵を撃て』

 

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第二次世界大戦中の1941年〜1945年にソ連とドイツの間で行われた独ソ戦(東部戦線)での

ソ連の女性狙撃兵にスポットが当てられている。

ナチス・ドイツに関して知識が乏しく、

小学校の社会からやり直すべきだ。

と強く悔しい気持ちになった。

ただ、本作は本当に目の前で独ソ戦が行われているような臨場感、

そして、世界で唯一の女性兵士狙撃に完全にフォーカスされており、

自分が女性兵士として参加しているような

感覚を感じ、涙なしでは読めませんでした。

読んでいるというより、これはもはや体験。

 

そしてタイトル「同志少女よ、敵を撃て」の

敵とはいったい。

 

さすがは様々な賞を受賞する作品。

確かにこれはおすすめせずにいられません。

 

あめだま的評価★★★☆☆(3/5)

 

 

『同志少女よ、敵を撃て』

初出版:2021年11月17日

第11回アガサ・クリスティー賞受賞

第166回直木三十五賞候補

第9回高校生直木賞受賞

2022年本屋大賞受賞

 

著者:逢坂冬馬

1985年生まれ 埼玉県所沢出身

2021年「同志少女よ、敵を撃て」にて

アガサ・クリスティー賞受賞にて

史上初全選考委員が5点満点をつけてデビュー

2023年「歌われなかった海賊へ」

 

-あらすじ-

 

小さな村「イワノフスカヤ村」で

母親と猟を行っていたセラフィマ。

ある日、ドイツ軍に村人達を惨殺され、

赤軍に家や村人の死体を燃やされた。

以降、猟をしてた時の狙撃の技術を使い

狙撃兵として母親を殺したドイツ人へ復讐を誓うと同時に、

母親の亡骸や家を焦土作戦によって燃やしたイリーナに復讐を計画。

数々の厳しい訓練を終え、

激戦区と化していたスターリングラードで見たものは…

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

 

 

・女性狙撃兵

 女性狙撃兵と聞いて思っていたことは、

 どんな敵をも射抜くずば抜けたセンスを持つ

 女性がバシバシ敵を倒していく、

 そんな厨二心くすぐる展開を予測していたが

 そんな爽快さは皆無。

 実際の戦争の過酷さ、惨めさ、辛さを

 鮮明にぶつけられ言葉が出ない。

 主人公セラフィマ達、女性狙撃兵の様々な

 思いで戦場に立っている。

 あめだまが中でも響いたのはシャルロッタだ。

 シャルロッタは旧貴族出身であることを

 周囲に隠し、天真爛漫で明るいムードメーカー

 である。

 彼女の仲間を思う心に度々心を打たれた。

 


・敵とは

 女性を守るために戦うと決めたセラフィマが

 最後に打ったのは。。。

 

 「あなたはなぜ戦うのか。」

 

 少し軸ハズレですが、

 現代の日本で誰かと戦うってことは

 起こることはあまりないのですが、

 自分の根源となる部分がどんな時でも

 大切にしたい。

 言い換えれば「あなたはなぜ生きるのか」

 

 あめだまはあの場面で引き金を引けるだろうか

 

 

 

戦争の作品って現代の日本で平和に生きてきた

あめだまとしてはなかなかに

刺さってこないことが多い。

その場の残酷な感動みたいなものは感じるし

自分の爺さん達もこれを体験していると

分かりながらもどこか遠い話に感じていた。

ただ独ソ戦も1945年の話でまだ100年も立っていないと思うと

いつ戦争が再び起きてもおかしくないのではと、

少し恐怖を感じる。

戦争のために狙撃を鍛えた彼女達は

戦争が終われば必要のない狙撃という技術を

持ったただの人だそうで

逆に言えば、

戦争が始まった時のあめだまは

何もできないただの人なのだろう。

 

 

 

 

『四畳半神話大系』 森見登美彦

今年のお盆に下鴨神社で毎年行われる

下鴨神社古本市に行こう。と

森見好き達を集めているので森見登美彦を読み進める。

むかし読んだことと、アニメを見た記憶があるものの全くもって覚えていない。

本を読んで感想を書くとこれが少し記憶に定着するというところがいいところで、

人に勧めようと読んで書くと素直に自分が

いいと思ったところもわかってくる。

・・・気がする。

 


四畳半神話大系

 

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「夜は短し、恋せよ乙女」より、

面白いと思った。

 

たまに考える。

 

大学生のあの時に戻ったら

人生は違っていたのだろうか。

 

多少なりとも変わっていることはあるのであろうが、

あめだまという人間は戻ってもされど、

あめだまという人間であるので、

大きくは変わらないのであろう。

 

大学時代あめだまは「放送部」「軽音部」なる、

怪しげな集団のどちらに所属しようかと

悩んだことがある。

結果として新入生歓迎会で先輩からの圧力で

「クリスタルカイザー」を

アニメの必殺技みたいに言うという

大学生の悪しき伝統に心が冷え切り、

「放送部」からフェイドアウトし、

「軽音部」という薔薇色の大学生活を求めて

4年間を過ごした。

ことの時、あの必殺技「クリスタルカイザー」が

なければ、

「放送部」に所属にも長く所属し、

入学式、卒業式、学園祭で司会を務める

大役を果たしていたかもしれない。

けれど、それでもどこか変わらないものに

収束していたであろう。

 

あめだま的評価★★★★☆(4/5)

 

 

四畳半神話大系

初出版:2005年1月5日

 

著者:森見登美彦

1979年奈良県生まれ

2003年京都大学在学中に日本ファンタジーノベル大賞を「太陽の塔」で受賞しデビュー

「夜は短し、歩けよ乙女」は2006年に山本周五郎賞を受賞し、

2007年本屋大賞2位に選定されている。

2024年1月22日に「シャーロック・ホームズの凱旋」の刊行が4年ぶりの新作となる。

 

 

 

-あらすじ-

「わたし」は冴えない大学3回生。

バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、

現実はほど遠い。

悪友の小津には振り回され、

謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、

孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。

いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい!

4つの並行世界で繰り広げられる、

滅法おかしくて、

ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

 

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 


〜繰り返される物語〜

 大学3年生の阿呆な繰り返される日々。

 繰り返される世界で、参加していなかった事に

 参加していたり、謎の出来事の理由が別の

 世界でわかったり。

 ただしかし、「わたし」の大学3年生は、

 繰り返しても同じように阿呆な無意味な事に

 割かれて、結末は同じところに収束している。

 あめだまも社会人で過ごしながら

 大学のあの時に戻ったら〜と考えることが

 妄想的によくあるのですが、

 戻っても似たり寄ったりの人生を

 歩むことだろう。

 過去に戻ると言う意味のない妄想に

 取り憑かれるだけ無駄なことだ。

 

 

阿呆な大学3年生の日々が情景浮かぶきれいな文章で「わたし」が語られていて、

読みやすく、やはり京都に行きたくなる。

最近は仕事でバタバタと多忙が私のことを愛して離してもらえない日々が続いている。

お盆には多忙を突き放して京都に遊びに行くことを切に願う。

 

 

 

『おとなになるのび太たちへ』

あめだまの世代1990年代は、ドラえもんをみて

育ってきたと言って過言ではないと思う。

ドラえもんで友達の大切さを知り、

「こんなことできたらいいな、

 あんなことできたらいいな」

夢に向かって妄想を広げてきた。

 

『おとなになるのび太たちへ』

 

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子供のころドラえもんに影響されて、

今があるかのように、

いろんなジャンルの元のびた達総勢10名が

おとなになるのび太に向けて

ドラえもんの話を元に、伝えたい思いが

語られている。

 

子供の頃に読みたかったな。ってのが本音だけど

30歳まだ大人になりきれないのび太として、

すごく面白かった。

 

夢を叶える。

 

どうやって生きていこうか。

 

そんな悩みがある人に勇気をくれる一冊です。

 

 

あめだま的評価★★★★☆(4)

 

 

『おとなになるのび太たちへ』

初出版:2020年9月8日

 

著者:藤子・F・不二雄

 

 

 

 

-本の概要-

夢をかなえるドラえもんコミックス

子どもたちが憧れる職業についた10人のおとなが、
てんとう虫コミックスドラえもん』から、
選りすぐりの1話をレコメンド!
夢をかなえるために、
人生で必要なことを教えてくれます。

猪子寿之/アート集団チームラボ代表
「アスレチック・ハウス」

梅原大吾/eスポーツプレイヤー
「あやとり世界」

梶 裕貴/声優
「さようなら、ドラえもん

亀山達矢(tupera tupera)/絵本作家
「オモイコミン」

菅田将暉/俳優
「サンタメール」

田村 優/プロラグビー選手
「なかまいりせんこう」

辻村深月/小説家
「ぼくよりダメなやつがきた」

なかしましほ/お菓子研究家
「だいこんダンスパーティー

はなお(はなおでんがん)/YouTuber
「思い出せ!あの日の感動」

向井千秋/宇宙飛行士
野比家が無重力

 

 

 

-あめだま的響いた内容-

 

・好きなことを続けること

 梅原大吾/eスポーツプレイヤー
  「あやとり世界」

 梅原大吾は知ってる人は知っている、

 日本で初めてプロゲーマーとなった人物だ。

 彼は子供のころゲームばかりしていて、

 親から怒られていた。

 そんな彼が現在ではゲームをすればするほど

 尊敬され褒められる。

 ドラえもんの「あやとり世界」もそうだ。

 のび太もしもボックスであやとりが

 評価される世界に変えて、

 誰からもモテモテになる世界。

 誰から何を言われても、自分の好きなことを

 やり続けることにはとても難しい。

 それでも続けた先には、

 新しい別の世界が広がっている。

 好きなことに正直になりたい。

 


・全ては自分の力に

 梶 裕貴/声優
 「さようなら、ドラえもん

 男の声優といえばこの人!ってくらい

 今を彩る声優だ。

 そんな声優にも売れない時代があるわけで

 けど、そんな時代にも

 彼は負けなかった。

 こんなことをしたってどうにもならない、

 なんてことはない。

 全ては声優になるための一つだった。

 夢に直向きに、なんでも声優のためにと

 信じた彼は最高の声優になった。

 進撃の巨人のエレン、

 僕のヒーローアカデミアの轟、

 海外映画の声も務めている。

 全ては自分の力に。

 自分の夢を追い求める姿に、

 おっさんながら自分もこれからと

 少年心くすぐられてしまった。

 

 

我々世代に大きく影響を与えたドラえもん

これから大人になるのび太達にも

大きな影響を与えてくれるだろう。

 

あめだまも「どくさいスイッチ」って話しが

今でも覚えている。

人との関わりを大切にするのは

こう言うところから、きているのかもしれない。

 

本書の最後にのび太が未来の大人の自分に会いにいく話しがある。

子供の頃に夢見た自分に私はなれているのだろうか。

  

 

 

『毎日が楽しくなる17の物語』 志賀内泰弘

タイトルに惹かれて読んでみることにした。

毎日楽しく生きれるなら、それ以上の喜びはないだろう。

最近平日は仕事に追われ何も手につかず帰っては寝るを繰り返していましたが、

土日含めて突然の仕事の発生もなく組んだ予定を全力で毎日楽しんでます。

地元の友達を連れて大阪まで朝まだ飲んでとか、

嫁を連れてスノボーにとか

アクティブにすごす土日の楽しさ。

再来週も飛騨まで大学の友達夫婦とスノボーです

これが毎日に楽しくなったらいいですよね。

 


『毎日が楽しくなる17の物語』

 

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心がほっこりする話を17個集めてありました。

日常に落ちているちょっとした話。

あなたもいいことして気持ちがいいと、

1日幸せな気持ちになったりして

楽しく過ごせる日があったことでしょう。

例えばおばあさんに電車の席を譲ったとか。

思いやりの心を他人に向けること。

けどこれって当たり前になりつつあって

いいことをするってを義務に感じて

特に感じることはなかった。

思いやりのある社会にしていこうって文化が

いいことなんだけど、

義務感ってものが発生している気がしてならない。

2009年から時代は変わってきているのかもしれない。

 

 

あめだま的評価★☆☆☆☆(1/5)

 

 

『毎日が楽しくなる17の物語』

初出版:2009年4月20日

 

著者:志賀内泰弘

名古屋市在住。2006年、金融機関を退職後、コラムニストや経営コンサルタントなど幅広く活躍。著書に『№1トヨタのおもてなし レクサス星が丘の奇跡』など多数

 

 

 

-あらすじ-

著者は「プチ紳士・プチ淑女を探せ!」を主催しています。
この活動はついつい見過ごされるような小さな親切をする人を紹介し、
世の中を「思いやり」で満たそうという運動です。だから著者のもとには、
全国から心あたたまるいい話が寄せられています。
本書では、そんなたくさんの「いい話」から選りすぐった17本を「心の三ツ星レストラン」の
メニューとしてあなたの前に提供します。
その「いい話」の震えるような感動は、
あなたの心を癒し、明日への勇気をくれます。また、この「いい話」を味わえば味わうほど、
仕事や人生で大切なことに気づきます。ちょっと心が疲れたとき、
心に潤いがなくなったとき、読んでみてください。
人はこんなにも、やさしくあたたかい。人生のステップアップのための
たくさんの「気づき」が見つかる本です。

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

 

正直「いいこと」が当たり前になってきており、

いい社会だなという反面、

やらない人っていうのを非難するぐらいの社会を感じてならない。

いいことをすることに感じる義務感に嫌気がさす。

これで毎日楽しくなるような社会には

今の日本には存在しないと思う。

それでも、本書でまあそうだなと思ったことを

つらつらと感想としてかいて行きます。

 

①情けは人のためならず

 久しぶりに聞いたなと。

 小学生の頃によく聞いたなと思ったが、

 最近はあまり耳にしていなかった。

 目の不自由な方にトイレまで案内しようと

 したが、

 その目の不自由な方は案内を遠慮する。

 それにはこれから案内がない時に

 トイレに行けないので道を覚えようと

 していたからだった。

 スクラップアンドビルドの祖父の介護の

 手助けせずに、衰えさせない努力をさせる

 こんな人のために思う見守るという

 スタンスというのが最近あまり聞かない

 新しい思いやりというものなのかもしれない。


②一流とは

 何をもって一流とするのか。

 飛行機の洗面所で一流が入った後は、

 洗面に水滴もなく綺麗にしてから

 退出しているそうだ。

 一流の使った後の洗面所がきれいとか、

 思いやりの心から発生しているとは

 あまり思わないが、

 自分というブランドを高めることが

 一流ということなのかもしれない。

 一流が使い終わった部屋のホテルが

 荒れ果てて汚かったらたしかに、

 それはこの人どうなのー??ってなるよね

 これも義務感から発生する

 それになってしまう気がする

 

17の物語をただ、作者の感想を踏まえてつらつらと書かれている。

正直それだけでは、この本を読んで捻くれ者のあめだまでは

心に響くものを感じなかった。

途中何度も読むのをやめようか悩んだが、

捻くれ者が少しでも素直になれれば読み終えることが

できました

 

 

 

 

『シャンデリア』 川上未映子

Kindle Unlimitedが最近特に偉大で、

電車に乗ってる隙間時間やタバコをふかしながらの隙間時間にスマホでさっと読めるので、

インスタやTwitterなどなど目的もなくネットの海に彷徨わずにすむのが、気持ち的に有意義だなと思ってます。

月額980円かかるものの、本屋で買うのに躊躇うものや、もう店では出会わない本達を気兼ねなく読めるのもまた、

新たな出会いとしていいです!

ビレバンで見つけて気になっていた作者:川上未映子に手を伸ばしてみました。


『シャンデリア』

 

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 タイトルの「シャンデリア」と聞いて皆さんは何を想像したでしょうか。

 

あめだまは、西洋建築の食堂の真ん中に堂々と吊るされているあれです。

天井に高さを持てる余裕のある空間にしか、

似つかわしくない、あの煌びやかな照明。

豪華絢爛なそんな世界を想像することでしょう。

 

本作のシャンデリアはいわゆる百貨店、

デパートに吊るされたもののことでした。

 

豪華絢爛として象徴的なシャンデリア。

 

主人公の「わたし」はこのシャンデリアを

いずれは落ちて自分踏み潰すものとして

見上げます。

 

29ページの短い短編からおりなす、

何か欠けている女「わたし」。

 

あめだまも自分には人と違うと普段思う何かが欠けているという感覚を、

違う欠けているものをもつ「わたし」に対して少し重ねて、自分再び見直しました。

 

 

 

あめだま的評価★★★☆☆(3/5)

 

 

『シャンデリア』

初出版:2017年1月11日

 

著者:川上未映子

1976年大阪府生まれ。

2007年デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞

2008年『乳と卵』第138回芥川賞を受賞。

2009年詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』第14回中原中也賞受賞

2010年『ヘヴン』平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞

2013年詩集『水瓶』第43回高見順賞受賞

短編集『愛の夢とか』第49回谷崎潤一郎賞受賞

2016年『あこがれ』渡辺淳一文学賞受賞

「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。 

『みみずくは黄昏に飛びたつ』、『すべて真夜中の恋人たち』村上春樹との共著

2019年『夏物語』第73回毎日出版文化賞受賞

2020年ニューヨーク・タイムズが選ぶ「今年読むべき100冊」やTIMEの「今年のベスト10冊」などにも選ばれ、現在40カ国以上で刊行が進められている。

 

 

 

-あらすじ-

「わたし」は毎日のようにデパートに出かけ、

気まぐれに買い物をして、ほぼ一日を過ごす暮らしを送っている。

朝十時きっかり、開店と同時に、あふれんばかりの従業員の笑みに迎えられる。

いつもデパートはつるつるして光っている。

高い吹き抜けの天井にはシャンデリアが燦然と輝いている。

一階のコスメ売り場から四階のハイジュエリー売り場へ。

レストランフロアでお腹を満たすと、また降りて、高級ブランドショップをはしごする。

店員たちは皆、顔なじみだ。語り手の買い物には計画もなければ、予算もない。

結婚もせず、ワンルームに一人暮らしの「わたし」に、

思いもよらない大金が口座に振り込まれ、デパート通いが始まった。

その日「わたし」はあるブティックで、見るからに裕福そうな老婆に出会う……。

 

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

 

 

 

①ポカンとする突然の罵倒

 母と重ねて思わせる母と正反対の綺麗な老婆。

 別れ際の突然の罵倒でポカーンと「??」

 置いていかれてしいました。

 主人公「わたし」はその後泣きます。

 虚しく事故的に死んだ自分の母に対して

 放った罵倒だったのか、

 その正反対の老婆に母と比べての

 罵倒だったのか。

 高校の時国語の評価2のあめだまでは

 理解することはできませんでした。

 私の国語力が欠けているのは不勉強が原因の

 後天的要因ですが、

 人に対して何か罵倒したり、

 思いをぶつけるみたいなことに

 正直めんどくさいがかち切り捨てる方向に

 なります。

 人に対して怒れる人って何に満足できているの


②死にたいと思う感情

 これも正直全くわからない。

 恥ずかしくて穴がらあったら入りたい程度で

 生きているのが辛いというのがわからない。

 仕事で自殺する人や恋人と別れてとか

 最近死にたい人って多いですよね。

 何かのために死ぬ覚悟でみたいなものは理解

 できるんですけど。

 死んでも何にもならないと思ってしまいます。

 死より怖いものって正直ないです。

 

 

 

『「すぐやる人」の読書術』 塚本亮

私の部屋には、一昨日脱ぎ捨てたコートや、週末に家で飲んだウイスキー「ワイルドターキー」、ポストに投函された広告の紙なんてものが

そこらかしこに転がっている。

片付けねばと思うのだが手は動かない。

おそらくまた来週に友達が家に来るまで、

思い立たない限りそのままだ。

こういうマインドの自分だからこそ、

本を読んで、「面白い!」で終わらないようにと

思っているが何かを意識して変えられてはいない。

そんな自分では今後の読書生活にも関わってくるのでは、と本書を手に取った。

 

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『「すぐやる人」の読書術』

初版発行:2019年11月30日

 

著者:塚本亮

1984年京都生まれ。同志社大学卒業。

ケンブリッジ大学大学院修士課程修了(心理学)。

グローバルリーダー育成を専門とした「ジーエルアカデミア」を設立。

『偏差値30でもケンブリッジ卒の人生を変える勉強』

『努力が勝手に続いてしまう。』

『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』

『「すぐやる人」のノート術』

『すごい早起き』など

 

 

-あめだま的要約まとめ-

 

・そもそも読書の面白さとは

 

①私が知る世界はほんの一部にすぎない

 

 本を開けば、自分とは異なる環境で育った人が

 その過程で得た知識、経験を味わえる。

 それは同じ経験であっても価値観や、

 考え方が異なるので

 私は新しい芽を育てることができる。

 

 

②読んだ時期により感じることが異なる

 

 高校の時に読んだ本に

 マーカーが引かれているところは

 今ではそれは当たり前になっていたり、

 心が荒んでいる時と晴れやかな時に読むのでは

 心に響く一文も異なるだろう。

 

つまり、自分を変えるチャンスができるわけだ。

 

 

・読書を「浪費」にしない

 

 読書は自己投資と言われるが、

 1500円で買った本のマインドを実施にうつし、

 前より1500万の利益を出すことができれば

 それは10倍の投資に成功したと言える。

 では、あなたの読書はどうだろうか?

 「いい話だった」

 で終わりになっていないだろうか。

 アウトプットまで含めてが読書だ。

 

 本を買って読んでない。

 なんてこともよくよく起こることだ。

 それは読むぞ!と

 1冊くまなく1文字、1文字丁寧に読むのは

 そりゃ疲れてしまうし、

 気が重くなって手が本に伸びないのも納得だ。

 3000円もした本をと思うかもしれないが、

 本を読む行為は、文字を読むことではなく

   「自分を変えるチャンスを掴むこと」

 太文字で書いてあるところを読んでいき、

 自分が気になるところだけじっくり読んで、

 考え、価値観を変えることができれば、

 それでいいのだ。

 自己完結する読書でなく、

 成果を出す読書をする

 

・本を手に取った理由を忘れない

 あなたがそのビジネス書を取ったのには、

 何か理由があるはずだ。

 「喋りが上手くなりたい」

 「時間を増やしたい」など様々だが

 読んでいくうちにこの解決したい疑問を

 忘れて本が語りたい何かを読んで

 自分の疑問を忘れてしまっている。

 つまり、本を読む目的を明確しておくことが

 即行動に繋がる。

 

・すぐやる人の読み方

    〜スキミング

 文章の論理構造を理解し、「さっと抜き取る」

 ビジネス書の文章は、

 「結論」「説明・例」「結論」の構成に

 なっていることが多い。

 この最初の結論をスキミングし、本を閉じ

 すぐに実践する。

 それはほんの途中であってでも、その時に

 これをしてみようと感じたら、

 すぐにアウトプットしなければ、

 頭から抜け落ちたり、後回しになってしまう。

 本を読み切ってからでは遅い。

 しかし、すぐにアウトプットできない時は

 手を動かし紙に書き出す等などアクションを

 起こす

 「誰かに教える(シェア)」として読むと

 記憶の定着も良くなる。

 

・実践しても上手くいかない

 ①ちゃんとやり方を理解できていない

  そもそも自分の生活に応用できるシーンを

  想像できているか。

  やり方の上部だけを理解し、

  本質が理解できていない場合が多い。

 ②継続できていない

  短期的な答えを求めずてしまっている

 ③そもそも自分に合わない

  この場合は、

  さっぱりとやめてしまいましょう。

  ただ、振り返り何が原因かを考えて、

  ①②でない事を確かにしましょう。

 小さな実験を繰り返し、

 自分にあった方法を見つけましょう

 

 

 

本を読みインプットした知識をアウトプットしてインプットした知識は「活用可能な知識」

に変わります

本ブログも読んだ本の話を面白おかしく話す

友達の影響もあり、

読んで消えていくでは、勿体無い。

面白いと思った本を他の人はどう感じたのかと

他の人との違いを楽しみたいと思うところが大きくあります。

 

 Imagination means nothing without doing.  (行動を伴わない想像力は、何の意味も持たない)

 

上記は作者塚本氏が本書の終わりに

残したチャップリンの言葉です。

 

本を読んで行動する。

わかりやすいので言うと

「美術を本で知り、実際に美術館に行く」

みたいに行動につながっていくのが

伝えるを超えた先の理想だと思う。

 

 

 

 

『スクラップ・アンド・ビルド』 羽田圭介

あめだまが本を

ちょうどあまり読まなくなった頃に、

長年のノミネート落選を超えて、

芥川賞受賞でちまたを騒がせていた本作。

タイトルのスクラップアンドビルドから仕事に

からむ建築的なものを感じて、

過去を取り返すために本作を手に取った。

 


『スクラップ・アンド・ビルド』

 

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建築の話ではありませんでした、介護の話

もうじいちゃんは、死んだほうがよか。

母と転職活動中無職の息子と介護を受ける祖父の話。

全身体が痛い祖父だが、歳をとった体としては

あくまで健康との診断を病院からくだされる。

杖をつき、夜中も2時間おきに音を立ててトイレに行く祖父。

あめだまの年老いた時の介護、最近物忘れが加速してデイケアに通うあめだまの祖父を思い出す。

いずれは人として死にゆく中で、

医療の進歩で、ベットで寝たきり状態のまま

長く生かされることに対して、

介護のやり方に対して、

深く考えられる作品だった。

 

 

あめだま的評価★★☆☆☆(2/5)

 

 

『スクラップ・アンド・ビルド』

初出版:2015年8月日

 

著者:羽田圭介

1985年東京都生まれ。明治大学卒業。

2003年「黒冷水」で第40回文藝賞受賞。

2008年「走ル」が第139回芥川賞候補

2009年「ミート・ザ・ビート」が第142回芥川賞候補

2014年「メタモルフォシス」が第151回芥川賞候補

2015年「スクラップ・アンド・ビルド」で第153回芥川賞受賞。

著書に『黒冷水』『走ル』『不思議の国のペニス』『ミート・ザ・ビート』『盗まれた顔』『「ワタクシハ」』『隠し事』『メタモルフォシス』『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』『成功者K』など。

 

 

 

 

-あらすじ-

「早う死にたか」
毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、
ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

日々の筋トレ、転職活動。
肉体も生活も再構築中の青年の心は、衰えゆく生の隣で次第に変化して……。
閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

 

 

 

・手厚い介護は老人を死に向かわせる

 手も足も動く老人にできるけど、

 身体が辛いというのに対して

 なんでもやってあげるという行為に

 筋肉の衰えを加速させ

 寝たきりにさせることが果たして正しいのか。

 動けるうちに動かないとたしかに、

 後々もっと動けなくなってしまう。

 ただ、理想はやりたくないことと

 楽しくできることを分けて考える

 ことなんだろうと思う。

 ただ自分は極力長くいきたいなと、

 タバコをふかしながら思う。

 


・作者羽田圭介と主人公

 芸人又吉の「火花」と同時受賞ということで

 世間を騒がせ、テレビ、ラジオなどたくさんの

 メディアに出演していた作者。

 作者のストイックな感覚が主人公から

 感じられる。

 本人はインタビューで否定しているが、

 どこか嘘をつかない偏屈さが

 それが人から見た時にストイックに見える

 のだけどなと思う。

 本を書くということに実体験を重ねるのは

 もちろんのことだが、

 どこか賞を取るための本に感じてしまった。

 本を書くということを仕事として

 楽しんで書いている、

 こんな事を伝えてやる!みたいな

 熱い感覚はあまり感じず

 どこか社会的な批判的な部分を題材に

 世間に受けるかなというところを主に

 書かれているのでは。

 題材のテーマが重く、間違った事をつっこんで

 書きにくかったのではとすら感じた。

 正直に言えば、

 いまいちだったかなって感想です。 

 作者のインタビュー記事もいくつか読んで、

 こんな事を考えて、こういうふうにしたんだよ

 みたいなものもどこか意味づけみたいで、

 聞きたくないなとさえ思う。

 

2015年大学が忙しくなり、就活も始まるぞと

本をあまり読まなくなったころの騒ぎの本を

ようやく読めて、一つ取り戻したぞと。

この辺りから売れ始めた偉大な作家はまだ

たくさんいるのでゆっくりと取り戻していこうと思う次第です。

当時はやっていたものってのは、

なかなかインスタで本を探していてもでてこないもので

どうしても昨年、今年の騒いでいる本とか、

新作の投稿ばかりが目につくなと感じている。

コロナから新しい社会になったなとは感じるものの、

人間のそもそもの根源は変わらないわけで、

少し前の本もたくさん読んでいきたいと

思っている次第です!