またしても名作です。
まず、文体が独特で、森見登美彦の世界に張り込んでしまったような変わった体験をしました。
間違いなく京都に行きたくなる作品です。
なんですかね?京都独特の世界観というか、
面白おかしい爽快な街、「鴨川ホルモー」とか
京都ってなんでこんなに魅力が詰まっているのでしょうか。
読み終わって、森見登美彦を調べるとそこには
頭の中で想像していた主人公(先輩)の姿があります。
森見登美彦
1979年奈良県生まれ
2003年京都大学在学中に日本ファンタジーノベル大賞を「太陽の塔」で受賞しデビュー
「夜は短し、歩けよ乙女」は2006年に山本周五郎賞を受賞し、
2007年本屋大賞2位に選定されている。
2024年1月22日に「シャーロック・ホームズの凱旋」の刊行が4年ぶりの新作となる。
天から与えられた才能はどこへ消えた!?」ヴィクトリア朝京都、寺町通221B。名探偵シャーロック・ホームズは泥沼のスランプ中!? 誰も見たことがないホームズの物語
ヴィクトリア朝京都って!?笑
楽しみです笑
ーーーーネタバレ注意ーーーー
私は、京都河原町に1週間ほぼ徹夜で過ごした血塗られた経験がありまして、
「黒髪の乙女」が東堂さんと出会い、李白と飲み比べをした、川沿いの裏通りで1日20本はタバコを吹かしていました。
仕事でトラブルがあり昼夜現場に
ホテルに帰り寝る時間もなく、
張り付いてました。
多分あの時労働基準局は春の桜と共に夢うつつだったのでしょう
あの血塗られた地獄でそんな壮絶な1夜があったとは。
読んでいた感じたのは場所の風景が異様に浮かぶなと言うところです。
私は、京都大学にも下鴨神社にも行ったことがないのですが読み終わって頭の中で場所のイメージが鮮明に湧き、調べると想像通りの風景が並んでいました。
独特の世界観をつくれるのはこういうところなのかなと。
読んでいて捻くれた男だなと「先輩」こと主人公に思うのだが、どこか共感できて、大学生ってこんなだったよなーと思い出す。
ここまで屁理屈の天才ではないのだけど、
森見登美彦の言葉に表すとこういうことだろうなと。
京都大学独特の面白さは昔から続くこれが伝統というやつなのだろう。
10年くらい前、京都の大学に行った友達に、
「学校に認められていないサークルが
サークルの部屋を1室占拠して
夜な夜な怪しげな夜会を開いている」
とか、
「学生寮に住まう、
先輩の先輩の代からいる仙人がいる」
とか聞いたことがある。
これが噂のようなほんとの話なんだよと語る友達も異世界に迷い込んだようなキラキラした目で語っていたのを思い出した。
「夜は短し、歩けよ乙女」で検索すると後ろに「おもしろくない」とでてくる。
感想見てみると森見登美彦の世界に馴染めずに去っていくようだ。
私は上手く世界迷い込むことに成功したわけだが
あなたは、どうだろうか?