あ め だ ま 図 書 館

読んだ本を紹介!本の世界へようそこ!

『空中ブランコ』 奥田英朗

当時の超話題作

ようやく読みましたので

語っていきたいと思います。

 

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心がスッと軽くなるようなそんな感覚を感じる

1冊です。

これが本当に気持ちいい。

 

 

それぞれが抱える(心の)問題を、

5歳児のような心を持つ医学博士伊良部一郎の

出会いで解決していく短編集です!

 

この伊良部が本当におもしろい。。。

子供と同じように思いついたら即行動。

躊躇がない。

 

この作品はドラマ、アニメにもなっているので、

気になったけど本は重たいとい思った方は

そちらでも楽しめますので、是非!

ドラマの主演は阿部寛だそうです。

 

直木賞受賞作品なのですが、

実はシリーズがありこの本は

2作目だったようですが、

すんなり問題なく読むことができました。

 

積み本がなくなったら、

1作目「イン・ザ・プール

3作目「町長選挙

4作目「コメンテーター」

読んでいきたいとお思います!

 

 

突然ですが

私は仕事を2ヶ月休んだことがあります。

働きすぎによる軽いうつ症状だったのですが、

普段から仕事による徹夜続きで、

毎日眠たいのですが

いざ布団に入ると眠れない。

少しすると、仕事でさっと判断ができなく

なってきていること自覚してましたが、

明らかに様子がおかしいことを妻が察知し、

精神科医へ連れていかれました。

 

重なる睡眠不足が原因で

気分が落ちていた程度ですんでいたので

しっかり寝て、仕事を一時忘れたら

すぐに復活しましたが、

私は比較的楽観的なので

いわゆる心の病とは無縁だと

思っていました。

 

そんな私だからなのか、

「心がスッと軽くなる瞬間」ってものが

本当に気持ちよかった。

 

 

 

ーーーーー内容ネタバレ注意ーーーー

 

 

人それぞれ何か抱えて生きているわけで

その原因を人のせいにすることもあるわけです。

 

空中ブランコ」では、

サーカスのエース公平が突然空中ブランコ

ミスを重ねてしまうところから始まります。

公平がミスを重ねているには

原因がもちろんあるわけですが

空中ブランコはキャッチャーと呼ばれる、

つかんでくれる側の存在があり、

彼を信じることができず、

無意識的に体が縮こまってしまっていたのでした。

公平は、原因がわかるまでキャッチャーが

自分を陥れようとしているのだと

人のせいにするわけです。

この「人のせい」ってところが刺さりすぎて辛い。

 

「私は精一杯やっているのに、

         なんでこんなことになるんだ!」

 

「あの人がもっとしっかりやってくれれば!」

 

日常で1日1回は考えてしまう。

自分を客観的にしっかり見つめなくては。。。

 

キャッチャーの内田と公平が初めて会話するところが

最後に登場するのですが、

公平目線での内田しか見えてきていなかったので

意地悪そうなムキムキの大柄男を

イメージしていたのですが、

最後で渡辺謙に変わりました。

 

 

他の話もすごく面白かったです。

 

ハリネズミ

   先端恐怖症のヤクザの話

「義父のヅラ」

   妻の父親のカツラを投げ捨てたい男

「ホットコーナー」

   投げられなくなったプロ野球選手

「女流作家」

   同じものを書いている気がする女作家

 

どれも面白かったです。