あ め だ ま 図 書 館

読んだ本を紹介!本の世界へようそこ!

『生欲』 朝井リョウ

いろいろなところでみかける2023年に1番お勧めされている本ではないだろうか。

 

今2022年本屋大賞の『同志少女よ、敵を撃て』を読んでにも関わらず、

恥ずかしながら本屋大賞2022年のノミネート作品だと知らずに、

なんとなくディープな世界が広がっていそうな

気配を感じて手に取って、

いい意味で全く違う衝撃を受けました。

この本は安易に開いてはいけない。

 

 

『正欲』

 

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正直夢中で読んで、他のことに手が回らないほどに頭の中が支配されました。

読み終わって、とんでもないものを読んでしまった。

この本の感想なんて書けたもんじゃない。

言葉が出なくなりました。

 

「多様性」

 

自分の浅はかさとか、自分らしさとか。

綺麗事ばっかり並べていたのかと

あめだまの心はぐちゃぐちゃにかき回され

もうね、ほんとに言葉になりません。

読み終わって帯に描かれた著名人たちの

言葉を見てびっくり。

同じこと言ってるやん。

 

「読む前の自分には戻れない」

 

「無遠慮にお勧めされることが憚られる大傑作」

 

「これは共感を生む傑作か、

  目を背けたくなる問題作か?」

 

なんとか言葉にして感想として

恥ずかしくも、憚れるも

書いていきたいと思う。

 

 

あめだま的評価★★★★★(5/5)

 

 

『正欲』

初出版:2021年3月26日

2022年本屋大賞ノミネート作品

第34回柴田錬三郎賞受賞作

稲垣吾郎新垣結衣をキャストに

映画化されており2023年11月20日上映開始

 

著者:朝井リョウ

1989年岐阜県生まれ。

2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。

2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。

2014年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。

2021年『正欲』で第34回柴田錬三郎賞を受賞。

 

 

 

 

-あらすじ-

自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、

秩序整えた気になって、

そりゃ気持ちいいよな――。

息子が不登校になった検事・啓喜。

初めての恋に気づく女子大生・八重子。

ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。

ある事故死をきっかけに、

それぞれの人生が重なり始める。

だがその繫がりは、”多様性を尊重する時代"にとって、

ひどく不都合なものだった。

読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。

 

 


-ネタバレ有りあめだま的感想-

 

 

 

〜多様性〜

 最近の社会でよく耳にする言葉だ。

 それぞれよ個性を認め、

 人種、国籍、性別、年齢、障害、宗教、

 価値観、性的嗜好だったり、

 ようは人それぞれの違いを認めようってこと。

 

 あめだまはレズとかバイとかゲイとか

 別に偏見とか受け入れられないとかないし、

 それを自分で人に言えてる人って

 かっこいいなとさえ思う。

 バイの人に対してなんて女も男も関係なく

 人を愛せるってすごいなと

 尊敬してしまう。

 

 あめだまが大切にしたい思っている人が

 まさにそうで、その人の事を読んでいて

 考えてしまった。

 その人はコロナが終息に向かいようやく、

 再び夢に向かって海外へ旅立つようだ。

 けど、そんな多様性を受け入れてる

 気になっていたあめだまだが、

 浅はかだった。

 

 そんな気になっているだけだ。

 

 理解できてると勝手に思っているだけだし、

 真に理解なんてできていないのだろう。

 

 だって自分と違うのだから。

 

 自分は水に性的興奮を感じることなんて 

 できない、したことがない。

 同じように男として生きて、男に恋すること

 なんでできない、したことがない

 そんなやつがずけずけとわかった気になって

 何になるのだろう。

 

 けど、それでも寄り添って生きていきたい。 

 

 ただそれだけ。

 


〜私の欲とは〜

  

 無意識的に、男の子的に、異性に性欲を

 抱いてしまう。

 ところ構わずなんてわけでもないし、

 もちろん社会の中では、

 そんなこと微塵も感じさせない紳士を装う。

 自分の性的嗜好についてなんて、

 もし人と違ったら、変なやつなんて言われたら

 恥ずかしくて生きていけない。

 妻にだって言えない、いや、妻だからこそ

 より言えない。

 言えたとして良くいる男のように

 胸の大きな女性が好き

 程度のものだ。

 男って気持ち悪いと思われるかもしれない

 けどこの本を読んで綺麗事を書いては、

 この本の感想なんて書いてはいけないと思う

 何が言いたいって、

 人に理解されない欲なんて誰でも持っているし

 それをは隠して生きるなんて

 当然だと思うってこと

 それを誰かに打ち明けたいとも思わないし、

 それに正直になって生きたいとも思わない。

 ただ、そう感じてるだけ。

 お金持ちになって、ベンツに乗って、庭の広い

 豪邸に住んで、美味しいものだけ食べて、

 毎日本だけ読んで生きていたい

 と思ったと到底敵わない願いだ。

 性欲なんてそんなものじゃないかなって。

 性欲も物欲も食欲も承認欲求だってそう、

 結局夢は夢。寝てる時に見るのも夢と呼ぶ。

 そんなの現実じゃない。

 欲に縛られて生きて何になるのだろう。

 他人を傷つけてまで手に入れた欲望なんて

 惨めなだけだ。

 

〜ほんとに求める欲望〜

 なんとなく美味しいものを食べたい。

 綺麗な服を着たい。

 人に認められたい。

 特別な人間になりたい。

 ほんとに自分が真に心から喜べる欲って

 なんだろうか。

 正欲ってタイトルはこういうことを

 考えさせる意味を込めての

 タイトルなんだろうか。

 

 

この本の感想書くのに長く考えて時間が

かかってしまったが、 多様性?

綺麗な言葉で自分が理解できる範囲で

認めあって何になる。

あめだまはこの本で人として

少し変わってしまったのかもしれない。

多様性って言葉がいい言葉と思っていたが

偽善的な言葉のように変わってしまった

 

あめだまが大切に思っている人に対して

本当は真に理解できていなかったとしても、

妻でも家族でなくても

その人に一生寄り添いたいと思うことに、

ためらいを持つ必要なんてないのかもしれない

そう信じたい。

抱きしめたいとかそういうのではない。

ただ、繋がっていたいだけ。